最古のワイン生産者組合:Winzergenossenschaft Mayschoß-Altenahr

2023年8月15日(火)
マイショス・アルテンアール協同組合は、現存する最古のワイン生産者組合だ。ドイツワインに関心を持つようになってから、一度は訪れたいと思っていた。ところが😱!2021年7月にアールを襲った大洪水は、この協同組合があるマイショスの街も壊滅させてしまった。本当にショッキングな出来事。それから2年が経ち、どうなったのか。半ば恐る恐るの訪問だった。果たして、その協同組合の歴史ある建物は、ダメージの跡も生々しく閉鎖されていた。
この協同組合は、1868年、J.P.コスマンの発案により発足した。発足時の組合員は18人。今では460人以上の組合員がおり、約140ヘクタールの畑でブドウを栽培している。そのワインの品質は高く評価されており、アールの代表的なワイン生産者の一つとして確固たる地位を築いている。ちなみに、かつては1855年発足のネッカースウルム・グンデルスハイム協同組合が最古の生産者組合だった。同組合が2007年にハイルブロン協同組合に吸収合併されたために、今ではこのマイショス・アルテンアール協同組合が現存する最古の生産者組合となっている。

Winzergenossenschaft Mayschoß-Altenahr

さて、中には入れないが、とりあえず建物の周りを回ってみようと、正面に立つ。いや、悲惨。10メートルの洪水は、完全に1階部分を破壊している。壁に描かれた「1868年から150年以上」の文字が、物凄く寂しく見える。
アール川に面した左側側面に回ってみる。同様に悲惨な状態。1階壁面部分を覆うシートに、将来の建て替えイメージが印刷されている。シンプルなデザイン。太陽光をふんだんに取り込むことができる大きな窓がたくさんあり、明るい雰囲気の建物になりそう。

Winzergenossenschaft Mayschoß-Altenahr

建物の裏手に回ってみる。一階スペースを覗き込める格子窓があった。ブドウをあしらった格子のデザインが面白い。中を覗き込んでみた。まあ、当然のことではあるが、床から天井まで、すっかり傷んでいた。

Winzergenossenschaft Mayschoß-Altenahr

建物を離れ、アール川を隔てて向かい側にある、ドイチェ・バーン(ドイツ鉄道)の駅に行ってみた。橋を渡りながら、改めてアール川をじっと見てみる。まずは上流側。そして下流側。流量は思いの外少ない。川幅も小さく、この川があのような大洪水を起こしたことが俄かに信じ難い。いやはや、自然を侮ってはいけない。

Ahr River at Mayschoß
Ahr River at Mayschoß

駅もまた、閉鎖されていた。洪水により鉄道網も破壊され、いまだに運行されていないのだ。プラットフォームに立ってみた。埋まっているのか流されたのか分からないが、線路が全くない軌道がトンネルまで続いていた。

Bahnhof Mayschoß

マイショス・アルテンアール協同組合に戻り、先ほど見た建物の隣の建物で営業を再開しているワインショップを覗いた。豊富な商品。それに、平日にもかかわらず結構お客さんも入ってる。いや、これ、なかなかの活気!
被ったダメージを回復するまでには時間がかかるが、ワインを生産出来ていればきっと大丈夫。お店のスタッフが元気に動き回っているのを見て、とっても嬉しい気分になった。アールの人たちは、皆、前を向いている。うん、近い将来の復興、どころか更なる発展、間違いなし!

Winzergenossenschaft Mayschoß-Altenahr

マイショス・アルテンアール協同組合ホームページ

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