Weingut Klosterhof
2019年9月8日(日)
モーゼル川中流域には有名銘醸地が集まっており、ベルンカステル、ブラウネベルク、ピースポートといった地名を示す標識を見つけるたびに興奮してしまう。Klosterhofは、そんな銘醸地の一つ、ブラウネベルクにある。モーゼル川右岸の国道53号線（モーゼルワイン通り）からモーゼル河畔に向かう小道に入って行く。この辺だよなと車でウロウロしていると、大きく手招きしている女性の姿が見えた。導かれるまま路地に入り、駐車スペースに車を停めると、そこに待っていたのは３人組。「よく来たね！」と満々の笑みで迎えてくれたのは当主のRuth Thomasさん。「英語ができないから、隣のホテルに助っ人をお願いしたんだ」と先程の女性と男性を紹介された。
Klosterhofは、その名の通り修道院にある。もともとは修道院が所有していたが、1802年にナポレオンが修道院を解散してから個人所有となっている。「さあさあ、とにかくワインを試して」と、Ruthさん。３人組とヘッフェとレーゼ、５人で修道院の一角にあるケラーに入っていく。1717年の建物とのこと。半地下で、20人ほどが入れそうなそのスペースは、ちょっと暗めの照明と石壁で、古い教会の地下そのまんまの雰囲気。部屋の角に小さなバーカウンターがあり、Ruthさんがワインを注いでくれる。
「まずはベーシックなやつを」と、ピースポートの畑Falkenbergからのリースリングトロッケン。うん、ベーシックと言いつつとてもしっかりしている。それにしても、Ruthさん、飲みっぷりがいい。次はピースポートのすぐ近く、ドゥロンの畑の古樹のリースリング（アルテ・レーベン）。ほんのりとした甘みと酸味が絶妙だ。アルテ・レーベンのワインは、何となく繊細さを感じる。「次はうちの最上級畑のやつね」と、Ruthさんは３本のワインを次々に開けて行く。そして、相変わらずいい感じで飲みながら、土壌の違いなどを説明してくれる。ホテルの２人も、通訳しつつグイグイいっている。こりゃ飲み会だ！いや、楽しい。３本は、どれも骨格がしっかりしており、すっきりした果実味が何とも美味しい。トロッケンと言いつつ、ドライになりすぎないところに醸造の妙を感じる。Wintricher Großer Herrgottは花の香りが特徴的。Brauneberger JufferとPiesporter Goldtröpfchenはミネラル感があり、力強い。そして、Ruthさんは息子たちの話を始める。「何だかさ、２人で造ってんだよね。今年からの新しいシリーズなんだけど」と、２人の息子、BenjaminとDominiqueの顔のイラストがラベルになったワインを開けてくれる。あっ、こりゃまた違う！果実のアロマが強い。マイシュスタンドツァイト（スキンコンタクト）の時間をしっかり取っているとのこと。「畑も新しいところでね、実は150年くらい前に修道院が所有していたとこなんだ」と、笑顔のRuthさん。面白いなあ、昔の所有地なんて。歴史と対峙してるんだなあと思う。それにしても、新しく息子たちがワイン造りに加わったKlosterhof、今後どうなって行くのか楽しみ！みんな良く飲んだ飲んだ。。。運転があるヘッフェ以外。。。
試飲したワイン
2018 Piesporter Falkenberg “Prims” Riesling trocken
2018 Dhroner Hofberg Kabinett “Alte Reben” Riesling feinherb
2018 Brauneberger Juffer SK Riesling Spätlese trocken
2018 Wintricher Großer Herrgott SK Riesling Spätlese trocken
2018 Piesporter Goldtröpfchen SK Riesling Spätlese trocken
2018 Brauneberger Klostergarten GG Riesling trocken
畑面積：10ha
生産量：50,000本／年
上級畑：Brauneberger Juffer、Wintricher Großer Herrgott、Piesporter Goldtröpfchen、Brauneberger Klostergarten
土壌：青色粘板岩、暗色粘板岩、堆積岩
栽培種：ほぼリースリング、その他リーヴァナー、グラウブルグンダー、ヴァイスブルグンダーなど
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